挑戦と成長を与えてくれた笹岡奨学金
笹岡奨学生第二期生
柳原沙羅
私は2023年から2024年にかけて、笹岡奨学金をいただき、イギリスのKing’s College London大学院International Child Rights and Development(国際児童権利と発展)の修士課程を修了しました。この奨学金は、経済的な支援にとどまらず、新しい挑戦への一歩を踏み出す勇気と成長の機会を与えてくれた、素晴らしいものでした。
(大学の教授や学友(仲間)とのキャンパスライフ)
笹岡奨学金の魅力は、大学や国が設ける奨学金と比べ、非常に柔軟性が高いことです。専門分野や留学先の国、さらにはその後の進路に関する制限がなく、自分の目標や興味に基づいて学びの場を自由に選べることが特徴です。その証として、第1期生はドイツでアグリカルチャーを、2期生の私はイギリスで子どもの権利を学びました。笹岡さんは私たちの選択を尊重し、温かく応援してくださり、このような環境のおかげで、私は国際的な子どもの権利に関する研究に集中することができました。笹岡奨学金の「世のため人のために活躍する人材を育てたい」という理念が、私たちの挑戦を力強く支えてくれていると思います。
修士課程では、法、社会学、公共政策、教育など幅広い分野の知識を深め、多国籍なクラスメートや教授たちと共に国際的な課題をテーマにディベートを行い、実践的な解決策について議論しました。また、修士論文では「痴漢」問題をテーマに、警察官や教育関係者へのインタビューを通じて執筆を行いましたが、この研究成果が教授陣から高い評価を受け、現在はKing’s大学の教授とともに、国際的なアカデミックジャーナルの発表準備を進めています。
また、留学中にはウェストミンスターロータリークラブに所属し、多国籍なメンバーとの交流を通じて多くの学びを得ました。今回、ロータリークラブやロータアクトクラブのミーティングに何度か参加させていただく機会をいただき、スペイン、ギリシャ、トルコ、インドなど、さまざまな背景を持つ方々とともに活動し、多様な視点や価値観を学ぶことができました。特に毎週土曜日に行われるイングリッシュ・カンバセーションクラブ(ロンドンに新しく移住した方々の英語学習を支援し、新生活への適応をサポートする活動)に参加させていただいたのが思い出深く、このプロジェクトに関わる中ことで、地域社会への貢献の大切さを深く実感しました。また、クラブの会合では、元ウェストミンスター市長や元英国憲兵の長官をはじめとするゲストスピーカーから、国家安全保障や国際的な課題について幅広い知識を得る機会にも恵まれました。このような経験を通じて、自分の視野が大きく広がり、学びを実践に活かす力を育むことができました。
(ロータリークラブの元会長とのフラグ交換式)
(ロータリークラブの月一の会合(トルコロータリークラブとこちらのクラブでトルコ地震被害者への支援の取り決め会)
さらに、留学中には笹岡さんご自身が私の応援のためにイギリスに訪れてくださいました。ロンドン市内にあるkings college London 大学のキャンパスを一緒に見学しながら、私の研究生活についてのお話を聞いてくださったり、温かい励ましの言葉をくださり、進路に悩んでいた私にとって大きな支えとなりました。その後、私のお気に入りのホワイトチャペルにある老舗のフィッシュアンドチップス店を訪れ、一緒に楽しい時間を過ごしました。笹岡さんが「こんなにおいしいフィッシュアンドチップスは初めてだよ」と笑顔で話されたことは、今でも心に残る思い出です。
(笹岡さんとホワイトチャペルにある老舗フィッシュ&チップス店へ。ロンドンにいらしてくれた際にKing College London大学をご案内した時のお写真)
留学中に得た数々の経験は、私にとってかけがえのない学びと成長の機会でした。現在は博士課程への進学を目指して準備を進めており、子どもの権利やジェンダー平等に関する研究をさらに深めていきたいと考えています。
(大学の教授や学友(仲間)とのキャンパスライフの写真)
(2025年2月17日に行われたKing’s College London大学の卒業式)
最後に、笹岡奨学金を通じて得られたすべての経験と支援に、心より感謝申し上げます。この奨学金がなければ実現し得なかった挑戦を通じて、私は自分の目標をより明確にし、研究者としての成長を実感することができました。笹岡さんをはじめ、ロータリークラブの皆様への感謝の気持ちを胸に、私が得た知識と経験を次世代に繋げ、恩返ししていきたいと考えています。