「分からない」は成長のチャンスだ(後編)

 

笹岡奨学生第一期生 宮浦晃希

ドイツのGöttingen-Sternwarteクラブでお世話になったカウンセラーのSönke氏が夕食に招いてくれた時のこと。ドイツ語を教えてくれた際に「Hast du verstanden(理解できた)?」と聞かれた私は「Ja(うん)」と回答します。きっと「分かりません」と顔に書かれていたのか「本当に理解していないんだったらJaじゃないでしょ」とSönke氏。その時私は「知っているふりをするほうがかえって恥ずかしく、失礼にあたる」と気付きました

コミュニケーションは国や文化、そして個人のスタイルによっても違います。しかし、分からないことを知ったかぶりして会話が終わってしまうのか、知らないことを受け入れて未知の世界を切り拓くチャンスを得られるのかは万国共通。「分からない」ことには大きな成長のチャンスが隠れているのです。

現在の職は前職とは異なる業界だったため一からのスタートでしたが、まずは自分で仮説を立てたうえで質問し、一つひとつ分からないことを潰していくことで、市場調査の奥深さや、少しでもお客様の役に立てているという充実感を味わうことができています。現在はさらにスキルの幅を広げるため、データ分析ツールのTableauを勉強しており、社外の勉強会にも積極的に参加しています。環境は違えど、素直な気持ちで質問すれば、その頑張りを評価して引き上げてくれる人がいる。知ったかぶりをせずに分からないことは聞けばよいし、どんな新しいことにも挑戦できる。留学を経てそう強く感じています。

先日笹岡奨学金で留学された方々にお会いする機会がありました。さまざまなバックグラウンドを持った彼らと留学生活を振り返ると、話は尽きないですし、いつか留学で得られた経験の恩返しが自分なりの方法できればよいなという思いも芽生えました。このような気付きや繋がりを得られたのも笹岡奨学金のおかげですし、挑戦するチャンスをくれた笹岡氏との出会いに本当に感謝しております。

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